「昔とったきねづか」派へ その2

(その1から続く)

いちど滑っていただければ、おわかりと思うが、いまのスキーはとにかくスピードが出るのだ。

最新のスキー板は、実によく滑るようになったし、ゲレンデもよく整備されて凸凹が少なくなり、そのスピードの出しやすさは、毎年滑っている私でも驚くほどだ。いったん転倒したりすると、スピードがついているだけショックも大きく、ケガもしやすい。

そのため、かつて以上にスピード感覚、バランス感覚が必要となり、それを支える筋力、体力が要求されるようになっている。

ところが、昔とったきねづか派は、筋力、体力が衰えている。冒頭の腰をひねった中年スキーヤー氏もその例だ。学生時代、陸上の選手だったというその患者は、下肢の筋肉はかなりしっかりしていたのだが、腹部は筋肉が脂肪に置き換わりブヨブヨだった。

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「昔とったきねづか」派へ その1

スキーシーズン開幕とともに、野沢医院もにわかに忙しくなる。訪れる患者は、1シーズン100日間で1200人。多い日は5〜60人も押しかけ、さながら野戦病院のようなありさまだ。
先日の日曜日。久しぶりにゆっくりして、午後は好きなスキーに出かけようと、板の手入れをしていたら、患者がやってきた。

40歳の男性サラリーマン。滑っていて、急停止したとき、腰をひねったらしく腰痛を訴えた。
聞けば、以前、スキーをよくやっていて、腕前は中級クラスだったそうだが、「この5〜6年、運動らしい運動をほとんどしていなかった」という。典型的な「昔とったきねづか」派である。
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傷害起きやすい成長期、コーチも知識を身につけて(3)

ケガはどんなものがありますか?


 一番多いのはひざです。何と言っても多いのは靭帯損傷なんですよ。特にひざには四つの靭帯がありますが、それがある力が加わった場合、内側の靭帯が伸びながらねじれてしまうなど損傷を起こしてしまう。一番多いのは内側と前の靭帯です。
 次に多いのが足首のケガ、外くるぶしの骨折とか、有名なのはブーツトップレベル骨折です。これは靴が硬くなり深くなって増えたんですよ。昔のように軟らかい皮製でぐらぐらするような時は、スキー骨折というとくるぶしの骨折のことを言ったものです。最近はこれが減って向こうずねの上部のブーツトップレベルの骨折が増えています。

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傷害起きやすい成長期、コーチも知識を身につけて(2)

小学生から高校生ぐらいまでのスキーによる傷害には
どんなものがありますか?



 スキー部に入っていると陸上トレーニングがありますね。その場合ちょうど成長期にあるお子さんというのは、とても障害が起こりやすい年齢なんです。
 ひざ回りの傷害というのが結構あります。スキーの場合、ひざの上の大腿四頭筋をたくさん使います。この筋肉を使いすぎて出る傷害では、ちょうどお皿の上のあたりの痛みから、お皿の下の膝蓋靭帯(しつがいじんたい)の頸骨の結節部に痛みがくるのがオスグット病。発育期のスポーツ傷害の代表格です。また、靭帯に炎症が起きるのが膝蓋靱帯炎。お皿の上の筋肉に起こってくるのを伸筋症候群といって筋肉のお皿との付着部に痛みが出てくる。
 どうして起こるかというと、発育期の子供はは、骨がどんどん伸びます。すると筋肉がその伸びるのに追いついていかない。スキーなんかをやっていると、なお筋肉を使うから筋肉がいっそう収縮する。それでこの障害が一番起こりやすい。これは小学生の四、五年から高校を卒業するまでの広範囲に起こってきます。ジャンパー膝とも言いますが、これは何と言っても大腿四頭筋のストレッチングをすることです。運動の前後、運動の最中でも、家でもいつでも筋肉を伸ばしてやらないとこの傷害が出やすい。コーチの方々はこういうことをよく理解して指導してあげなければいけない。

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傷害起きやすい成長期、コーチも知識を身につけて(1)

初心者を含めてスキーをする時の一般的な注意事項は?


 統計によると初心者にケガが多いんです。スキーのケガの半数以上は転倒によって起こります。初心者は転倒する率が高いから、早く基本を身につけることです。
 スキーというのは、フィーリングとバランスのスポーツです。
 ですから、ある程度足腰の筋肉を鍛えておかないと体がもたない。小学生とか子供のときから滑っている方は、体が覚えてしまうから割といいんです。けれど、成人になってから始める方は、基本的体力をある程度つくらないともたないんですよ。例えば斜面で頑張らなくてはいけないところで、筋力がないために転倒、ケガをすることもあります。
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